2013年2月26日火曜日

個人向け国債は国債の暴落への備えに有効か

Twitterでこんな記事を拾いまして。

国債の暴落に備える有効な商品は、なんと「国債(個人向け国債)」か?


今更ながら確認しますと、

 債券価格の下落=債券利回り上昇

であります。

文中、ネタになっている「個人向け国債 変動10年」の商品設計の詳細については財務省を当たっていただくとして、要するに

・単価が常に額面の100%である
・変動利率である ※1
・手数料が取られない

という点から、JGB暴落のヘッジに有効である、こりゃ皮肉ですなぁといった内容の記事ですね。確かに話としては通ります。

※1:10年国債の利回り(基準金利)をベースにして半年ごとに利率が改訂される仕組みです


じゃあ、JGBの暴落=JGB利回りの急騰ってなんで起きるんでしょう?


小難しいことを並べ立てることはナンボでも出来るんですけれども、ざっくり言ってしまうと「利払い・償還に不安がある」と市場が思ったら暴落すると私は思うのです。そのとき、「変動10年の個人向け国債がJGB暴落ヘッジに有効である」と言うのには少々抵抗感があります。デフォルトリスクに対するエクスポージャーは変わらんです。

まぁリスクテイクの程は投資家それぞれですから、個人の意見ですけれどもね。往年の死に体イタリア国債を拾って儲かったひともいますし。

固定利付きのJGBよりも金利上昇ヘッジ機能があることは認めますが、それを持って”国債暴落への備え”と言ってしまうのはちょっとどうかなぁと思った次第です。執筆者であるモーニングスター朝倉氏に喧嘩を売ろうなどというつもりは毛頭ないけれど、債券市場で飯を食う者として気になった点を書いてみました。


ついでに申し添えておくと、別に日銀は国債を買い支えてるわけではありません。また、現在は募集していない”復興応援国債"を含めれば、個人向け国債は4種類の商品設計が存在します。

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